技術書ナビ データレポート
技術書の第2版・改訂版で何が変わったか――紹介記事に書かれた旧版との違い
第2版・改訂版・新装版が出た技術書390作品について、Zenn・Qiita・企業テックブログの紹介記事が旧版との違いをどう書いたかを集めた。記事に書かれた違いを作品ごとに並べ、新しい版を勧める記述の数と、技術書ナビの書誌にある版の間隔・ページ数をあわせて示す。
公開日: ・対象:2026年10月8日までに公開された記事 ・作成:つみき
目次
要点
- 新しい版が出た技術書を紹介した1,708件のうち、旧版との具体的な違いを書いた紹介は43件(2.5%)、作品にして31作品だった。違いは書かずに「旧版を読んだ」「新版が出た」と版に触れた紹介が、ほかに44件ある。
- 書かれた違いで多いのは、技術・情報の更新(22件)と章・トピックの追加(18件)である。サンプルコードの言語が変わった(3件)、章が削除された(3件)という記述は少ないが、『リファクタリング(第2版)』のJavaからJavaScriptへの変更のように読む前に知っておきたい違いが含まれる。
- 版の選び方まで書いた紹介では、新しい版を勧める記述が12件、旧版でも十分とする記述が2件だった。新しい版を勧める理由としては、内容が新しくなったことを挙げた記事が多い。
- 技術書ナビの書誌で版が2つ以上ある115作品では、最新版と1つ前の版の間隔の中央値は6年だった。両方のページ数が分かる35作品のうち32作品は新しい版のほうが厚く、薄くなった作品は0作品だった。
調べ方の概要
技術書ナビが集めた紹介(本×記事)4,914件から、版が2つ以上ある作品と書名に版の表記がある本(第2版・改訂新版・新装版など)の紹介1,708件を対象にした。そのうち、記事本文の書名の前後に「旧版」「初版」「第2版」「改訂」などの語がある586件を、LLM(Claude Sonnet)で「旧版との具体的な違いを書いている」「違いは書かないが版の選び方を書いている」「どちらでもない」に分け、書かれた違いを取り出した。
違いを書いたと判定した37件はすべて記事を読み直し、35件が正しかった。誤りと、本文の抜粋が短くて取りこぼしていた紹介は直してから集計した。ページに載せた違いは記事に書かれた内容の言い換えで、技術書ナビが出版社の資料などから補ったものはない。手順の詳細は調べ方の詳細にまとめた。
作品ごとの旧版との違い
旧版との違いが記事に書かれていたのは31作品
旧版との違いを書いた紹介がある作品を、紹介の多い順に並べた。各作品の「版」は技術書ナビの書誌にある版の出版年とページ数(分かるもの)で、旧版が書誌に無い作品は最新版だけを示す。違いの文は記事の記述を短く言い換えたもので、その下に根拠の引用と記事へのリンクを置いた。
「紹介記事」はすべての版の紹介をまとめた数(ZennとQiitaへの同時投稿は1本)。1つの紹介が複数の種類の違いを書くことがある。
-
『達人プログラマー(第2版)』
版:2020年・448ページ → 2016年
-
- 構成・説明の見直し 第二版で大幅に加筆修正
- 章・トピックの追加 後半にプロパティベーステストなど新しい話題が追加
「2021年の第二版で大幅に加筆修正されたようで、特に後半はプロパティベーステストなどめちゃめちゃ新しいです。」 (Qiitaの記事[10]・新しい版を読んだ記事)
-
- 章・トピックの追加 並行処理など近年の話題が追加
「第2版では並行処理など近年の話題も加えて見直されました。」 (Qiitaの記事[14]・新しい版を読んだ記事)
-
- 章・トピックの追加 設計の話題(ETC原則など)を追加(筆者の記憶による)
「特に2版で追加された内容(だったはず)の設計の話が非常に良かったので」 (Qiitaの記事[2]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発』
版:2020年・288ページ → 2013年・278ページ
-
- 技術・情報の更新 スクラムガイドの更新に合わせ最新の定義へ改訂
- その他 「妨害」を「障害」に替えるなど用語を見直し
- 構成・説明の見直し 文字数を減らし吹き出しのデザインを変更
「初版が発売された2013年から3回に渡って公式のスクラムガイドが更新されたことで、最新の定義に沿っていない記述になってしまったことで改訂に至ったようです。」 (企業テックブログの記事[33]・新しい版を読んだ記事)
-
- 技術・情報の更新 スクラムガイドの変更に合わせ初版からアップデート
「スクラムガイドも何度か変更が行われており、初版(2013 年)からの 7 年間でこの書籍もアップデートされているようです。」 (Qiitaの記事[5]・新しい版を読んだ記事)
-
- 技術・情報の更新 スクラムガイド2017年版に対応
「今回は、スクラムガイド2017年版に対応し増補改訂された、SCRUM BOOT CAMP THE BOOK を新卒エンジニア4名で読み、そこから得た知見を共有しました。」 (企業テックブログの記事[26]・新しい版を読んだ記事)
版の選び方: 「初版と増補版で異なる点があったため、次回からは 最新版 を使うようにしようという提案がありました。」(企業テックブログの記事[23])
-
-
『エキスパートPythonプログラミング 改訂4版』
版:2023年 → 2021年・616ページ → 2018年
-
- 構成・説明の見直し デザインパターンの章をIoC/DI中心の内容に一新
- 技術・情報の更新 asyncioのコードを高水準APIで書き換え
- 章・トピックの追加 ミューテーションテストの紹介を追加
「改訂3版では「第17章 Pythonのためのデザインパターン」で紹介されていた内容を一新。」 (企業テックブログの記事[24]・両方の版を読んだ記事)
-
- 技術・情報の更新 最新のPython環境に合わせて改訂された
- 構成・説明の見直し さらに読みやすくなった
「最新のPython環境に合わせて改訂され、更に読みやすくなりました。」 (企業テックブログの記事[32]・新しい版を読んだ記事)
-
- 技術・情報の更新 改訂2版でPython 3.6に対応
- 章・トピックの追加 内容が大幅に追加
「改定2版からはPython3.6に対応していて、内容も大幅に追加されているので、初版しか読んでいない人は2版もさらっておいたほうがいいかも。」 (企業テックブログの記事[36]・両方の版を読んだ記事)
-
-
『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版 脆弱性が生まれる原理と対策の実践』
版:2018年・688ページ → 2011年・496ページ
-
- 章・トピックの追加 JavaScriptセキュリティ・デシリアライゼーション・XXE等が追加
- 内容の削除・縮小 携帯電話向けWebアプリ対策の章が削除
- 章・トピックの追加 脆弱性診断入門の章が新設
- 章・トピックの追加 クリックジャッキングの解説が追加
- 技術・情報の更新 HTML5やWeb APIの普及に対応
「また、旧版で扱っていた携帯電話向けWebアプリケーションのセキュリティ対策に関する章は削除され、代わりに脆弱性診断の手法が学べる「脆弱性診断入門」の章が新設。」 (企業テックブログの記事[21]・新しい版を読んだ記事)
-
- 技術・情報の更新 HTML5の普及に伴う改定が行われた
「また2011年の初版から、HTML5の普及に伴う改定などいくつかの改訂が重ねられた第2版まで現在出版されています。」 (企業テックブログの記事[20])
-
-
『リファクタリング(第2版)』
版:2019年・456ページ → 2014年
-
- サンプルコードの言語・環境の変更 サンプルコードがJavaからJavaScriptに変更
- 構成・説明の見直し 大幅に書き換えられ現代的にアレンジ
「本第2版では、約20年前のオリジナル原稿の構成は変わらないものの、大幅に書き換えられているほか、サンプルコードがJavaからJava Scriptになるなど、現代的にアレンジされています。」 (Zennの記事[7]・新しい版を読んだ記事)
-
- サンプルコードの言語・環境の変更 第2版はサンプルコードがJavaScriptに変更
「この版のコードはJavaだけど、第2版はJavaScriptで書かれているらしいので好きな言語を選べるのもありがたいです。」 (Zennの記事[9]・旧版を読んだ記事)
版の選び方: 「今入手するなら2版が良さそう」(Qiitaの記事[2])
-
-
『[改訂新版]プロになるためのWeb技術入門』
版:2024年・528ページ → 2010年・288ページ
-
『イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb技術の基本 第2版』
版:2024年・200ページ → 2017年
-
- 体裁(ページ数・図・判型) 全ページフルカラーに変更
- 技術・情報の更新 URL表記をhttps://に変更
- 技術・情報の更新 ソフトウェア・プログラミング言語の記載を見直し
- その他 マスター/スレーブ等の用語を言い換え
「まず大きな変更点ですが、フルカラーとなりました!」 (企業テックブログの記事[22])
-
- 技術・情報の更新 第2版で情報がより充実
「初版は入社当時に何度も繰り返し読んでいた。第2版になり読みやすさはそのままに、情報がより充実した内容になっている。」 (Zennの記事[6]・両方の版を読んだ記事)
-
-
『コンピュータの構成と設計 MIPS Edition 第6版 上』
版:2021年・424ページ → 2014年 → 2011年
-
- 章・トピックの追加 GPGPUの章が充実
- 技術・情報の更新 仮想化・分散処理の記述が増強
「ある版では GPGPU の章が突然充実し、」 (Zennの記事[13]・両方の版を読んだ記事)
-
- 技術・情報の更新 第6版で最新のアーキテクチャやトレンドを反映
「私が読んだ時点の第5版ではMIPSアーキテクチャが中心でしたが、現在の6版では最新のアーキテクチャやトレンドも反映されています。」 (企業テックブログの記事[20]・旧版を読んだ記事)
-
-
『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準』
版:2021年 (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 構成・説明の見直し プロセス中心から原理・原則中心の構成に変更
- 構成・説明の見直し 成果物重視から価値提供重視に変更
- 体裁(ページ数・図・判型) ページ数が約500ページ減った
「PMBOKの構成もプロセスが細かく書いてあるガイドラインから、原理・原則を定め幅広い状況に効率的に適用できるようなガイドラインに変わりました。」 (企業テックブログの記事[18]・新しい版を読んだ記事)
-
- 構成・説明の見直し ライフサイクル中心から価値重視のアジャイル型に変更
- 技術・情報の更新 アウトプット重視から価値重視に舵を切った
「今回のPMBOKはざっくり説明してしまうと、「アウトプット重視のウォーターフロー型」から「価値重視のアジャイル型」に舵を切ったことでしょう。」 (企業テックブログの記事[31]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』
版:2024年・408ページ → 2022年・400ページ
-
- 構成・説明の見直し 改訂で説明がより読みやすくなった
「改訂で説明がより読みやすくなっています。」 (Qiitaの記事[14]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『SQLアンチパターン 第2版』
版:2025年・400ページ → 2013年・352ページ
-
- 章・トピックの追加 新たな章が追加
- 章・トピックの追加 外部キーの落とし穴の解説が追加
「第2版では新たな章や外部キーにまつわる落とし穴の解説が加わり、一部の章末には短い補足も収められています。」 (Qiitaの記事[14]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『オブジェクト指向でなぜつくるのか 第3版 知っておきたいOOP、設計、アジャイル開発の基礎知識』
版:2021年・372ページ → 2011年・365ページ
-
- 章・トピックの追加 第2版あたりから補章「関数型言語でなぜつくるのか」が追加
「いちおう第2版あたりから「補章 関数型言語でなぜつくるのか」が追加されています。」 (Zennの記事[8]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『Java言語で学ぶデザインパターン入門第3版』
版:2021年・560ページ → 2004年
-
- 技術・情報の更新 ジェネリック型・ラムダ式・アノテーションを用い現代的に
「2021年11月に改訂されました。より現代的に、ジェネリック型、ラムダ式、アノテーションを用いてあります。」 (Qiitaの記事[11])
-
-
『プロを目指す人のためのRuby入門[改訂2版] 言語仕様からテスト駆動開発・デバッグ技法まで』
版:2021年・568ページ → 2017年
-
- 技術・情報の更新 Ruby 3.0までの変更点や新機能に合わせて加筆・修正
「Ruby 3.0までの変更点や新機能に合わせて加筆・修正されている。」 (Qiitaの記事[4]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]』
版:2016年・260ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 体裁(ページ数・図・判型) 三版以降はフルカラーに変更
「しかし三版以降はフルカラー化され、書店に並ぶ他の実用書と大差ない存在感になって個人的にはちょっと残念でした。」 (Zennの記事[1]・旧版を読んだ記事)
-
-
『Real World HTTP 第3版』
版:2024年・544ページ → 2020年
-
- 章・トピックの追加 プラットフォーム技術の章(15章)を追加
「この章では、プラットフォーム技術について書かれています。第3版で新しく追加された章です。」 (Zennの記事[17]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『人月の神話』
版:2014年・328ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 章・トピックの追加 第18章で初版15章までの命題を振り返る
- 章・トピックの追加 論文「銀の弾などない」(第16章)を収録
「現在販売されている新装版では『第18章 「人月の神話」の命題——真か偽か』で、初版に収録された15章までの内容の概略が示されています。」 (企業テックブログの記事[30]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『パーフェクト Ruby on Rails 【増補改訂版】』
版:2020年・528ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 技術・情報の更新 Rails 6に対応
「『パーフェクトRuby on Rails』は、定番の Rails 本の改訂。Rails 6 に対応。」 (Qiitaの記事[12])
-
-
『プログラミングRust 第2版』
版:2022年・680ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 章・トピックの追加 非同期処理の章が追加
「第2版で新たに加わった非同期処理の章など、込み入ったテーマにも踏み込みます。」 (Qiitaの記事[14]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『スッキリわかるJava入門 実践編 第4版』
版:2024年・744ページ → 2021年 → 2014年
-
- 技術・情報の更新 改版でJavaのアップデートが反映
「数年ごとに改版されてJavaのアップデートが反映されていて、最新の第四版は2024年に出ている点でもオススメです。」 (Qiitaの記事[38])
-
-
『Hacking: 美しき策謀 第2版』
版:2011年・564ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 章・トピックの追加 第2版は大幅にボリュームアップ
「私が読んだのは、第1版なのですが、第2版では大幅にボリュームアップしているようです。」 (企業テックブログの記事[37]・旧版を読んだ記事)
-
-
『詳解 システム・パフォーマンス 第2版』
版:2023年・940ページ → 2017年・784ページ
-
- 内容の削除・縮小 Solarisの記述を削除しLinuxに絞った
- 章・トピックの追加 クラウドコンピューティングの章を追加
「第2版では、LinuxにフォーカスするためSolarisの記述が削除され、新しくクラウドコンピューティングに関する章が追加されました。」 (企業テックブログの記事[28]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『誰のためのデザイン? 増補・改訂版』
版:2015年・520ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 構成・説明の見直し 改訂版で読みやすくなった
「改訂版が出たようで読みやすくなってるそうです。」 (企業テックブログの記事[19])
-
-
『プログラミングC# 第8版』
版:2021年・800ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 内容の削除・縮小 クラスやポリモーフィズム等の一般概念の解説を省略
「原書の序文によると、以前の版で扱っていたクラスやポリモーフィズムといった一般概念の解説は省かれています。」 (Qiitaの記事[15]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント[第2版]』
版:2022年・448ページ → 2017年
-
- 技術・情報の更新 PMBOK第7版での変更点を反映
「今回の第2版では、第6版以前に触れられてきたプロジェクトの進め方を踏まえ第7版での変更点を加えたことで、過去のPMBOKを知らない初学者に寄り添った内容になっています。」 (企業テックブログの記事[27]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『サイバーセキュリティプログラミング 第2版』
版:2022年・304ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- サンプルコードの言語・環境の変更 サンプルコードをPython 2からPython 3に更新
「その中で最も大きいのは、記載されているソースコードが Python2 から Python3 にアップデートされた点です。」 (企業テックブログの記事[29]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『ゼロトラストネットワーク 第2版』
版:2025年・400ページ → 2019年
-
- 章・トピックの追加 公的ガイドラインや実例、運用までの実践面が補強された
「第2版では公的なガイドラインや実例を踏まえ、開発から運用までを通した実践面も補強されています。」 (Qiitaの記事[14]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]』
版:2024年・320ページ (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 技術・情報の更新 各サービスのアップデートを踏まえて書き直し
- 章・トピックの追加 生成AI(Gemini)の解説を10章に新規収録
「第 2 版では、特に「10 章 : AI サービス」の中で Gemini を中心とした生成 AI の解説が新しく収録されています。」 (Zennの記事[16]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『確かな力が身につくJavaScript「超」入門 第2版』
版:2019年 (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 技術・情報の更新 随所の情報がアップデートされた
「第2版は2019年9月に出版されたばかりで、随所の情報がアップデートされています。」 (企業テックブログの記事[34])
-
-
『Ansible実践ガイド 第4版』
版:2023年 (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 技術・情報の更新 Ansible 2.8対応からansible-core 2.14対応に
- 章・トピックの追加 コレクションの扱い方の解説を追加
「第4版では ansible-core 2.14 に対応して、コレクションの扱い方にも触れるようにしました。」 (企業テックブログの記事[25]・新しい版を読んだ記事)
-
-
『Pythonクローリング&スクレイピング[増補改訂版]』
版:2019年 (旧版は技術書ナビの書誌に無い)
-
- 章・トピックの追加 Pyppeteer(ヘッドレスChromeを扱うライブラリ)の項目を追加
「増補改訂版で増えた項目の一つである Pyppeter の項目です。」 (企業テックブログの記事[35]・両方の版を読んだ記事)
-
違いの種類
記事が書いた違いの多くは、情報の更新と章の追加だった
- 技術・情報の更新 22件(51%)
- 章・トピックの追加 18件(42%)
- 構成・説明の見直し 9件(21%)
- 体裁(ページ数・図・判型) 4件(9%)
- サンプルコードの言語・環境の変更 3件(7%)
- 内容の削除・縮小 3件(7%)
- その他 2件(5%)
最も多いのは技術・情報の更新で、43件のうち22件が挙げている。言語やツールのバージョン(Ruby 3.0、Rails 6、Python 3.6、ansible-core 2.14)への対応や、スクラムガイド・PMBOKのような元になる規格の改訂への追従がこれに当たる。『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発』には3件の紹介があり、どれもスクラムガイドの更新に合わせた改訂だと書いている。
章・トピックの追加は18件だった。『達人プログラマー(第2版)』では並行処理やプロパティベーステスト、『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版 脆弱性が生まれる原理と対策の実践』ではデシリアライゼーションやXXE、脆弱性診断の章が加わったと書かれている。
削除や言語の変更は件数こそ少ないが、旧版を持っている読者にとっては、買い直すかを考える材料になる違いである。『リファクタリング(第2版)』はサンプルコードがJavaからJavaScriptになったことが2件の記事に書かれ、『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版 脆弱性が生まれる原理と対策の実践』では携帯電話向けWebアプリの章が、『詳解 システム・パフォーマンス 第2版』ではSolarisの記述が削除された。
体裁の違い(4件)には、フルカラーになった、ページ数が大きく増えた(PMBOKガイドでは約500ページ減った)という記述がある。『[改訂新版]プロになるためのWeb技術入門』は初版から14年後の改訂で、書誌のページ数は288ページから528ページに増えている。
新しい版を勧めるか
版の選び方を書いた14件のうち12件は、新しい版を勧めていた
違いを書いた紹介と、違いは書かずに版について書いた紹介(「旧版を読んだ」「新版が出たので買い直した」など)は合わせて87件ある。このうち筆者が読んだ版が分かるものを数えると、新しい版が32件、旧版が22件、両方が10件だった。
| 記事の書き方 | 紹介 |
|---|---|
| 新しい版を勧める | 12 |
| 旧版でも十分・旧版がよい | 2 |
| 選び方は書いていない | 73 |
新しい版を勧めた12件のうち理由を書いたものの多くは、言語や規格への対応、トピックの追加など、内容が新しくなったことを挙げている(輪読会で初版と増補版が混ざると話が合わない、という理由もあった)。旧版でも十分とした2件は、価格(新しい版は高いので旧版を中古で)と、内容が古い部分があっても読んで損はなかったという感想だった。版について書いた記事のほとんどは、どちらの版を選ぶかを書いていない。次は選び方を書いた記述の例である。
- 『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発』:「初版と増補版で異なる点があったため、次回からは 最新版 を使うようにしようという提案がありました。」 (企業テックブログの記事[23])
- 『リファクタリング(第2版)』:「今入手するなら2版が良さそう」 (Qiitaの記事[2])
版の間隔とページ数
新しい版は前の版から中央値6年で出て、ページ数はほぼ増えていた
ここからは記事ではなく、技術書ナビの書誌(出版日・ページ数)による集計である。版が2つ以上ある115作品について、最新版と1つ前の版の出版年の差を数えた(図2)。
- 3年以内 26作品(23%)
- 4〜6年 42作品(37%)
- 7〜10年 26作品(23%)
- 11年以上 21作品(18%)
中央値は6年で、4〜6年の作品が最も多い。11年以上空いた作品も21作品あり、『[改訂新版]プロになるためのWeb技術入門』は14年ぶりの改訂だった。間隔が長い作品ほど、旧版の時期に書かれた紹介記事と現在の版の内容が離れている可能性がある(このレポートでは確かめていない)。
ページ数は、最新版と1つ前の版の両方が書誌で分かる35作品のうち32作品で増え、3作品で同じ、減った作品は無かった。増えたページ数の中央値は32ページである。ページ数の差は、どれだけ内容が変わったかを表すものではない(判型や組版の変更でも変わる)。
数字を読むときの注意
- このページの違いは、記事の筆者が書いたことであり、改訂内容の一覧ではない。1つの作品について1〜3件の記事が書いた範囲に限られ、ほかにも違いがあることが多い。改訂内容の全体は、出版社の書籍ページや「はじめに」で確かめてほしい。
- 記事には、筆者が伝聞で書いたもの(「〜らしい」「〜だったはず」)や、著者・訳者が自分の本の改訂を紹介したものが含まれる。どちらも引用をそのまま載せたので、元の記事で文脈を確かめてほしい。
- 翻訳書では、記事が原著の版の話をしていることがある。原著の改訂と日本語版の刊行には時間差がある。
- 候補は、記事本文の書名の前後に版の語がある紹介に限った。書名から離れた箇所で違いを書いた記事は、1〜2冊だけを紹介した記事に限って全文を確かめたが、それ以外は数えていない可能性がある。
調べ方の詳細
データ源・分類の手順・確認の結果
データ源
技術書ナビが集めたZenn・Qiita・企業テックブログの記事のうち、技術書を紹介した記事1,464本と、そこでの紹介(本×記事)4,914件を使った。ZennとQiitaへの同時投稿は1本と数え、同じ本の版違い(第2版・新装版など)は最新版にまとめた(サイトのランキングと同じ数え方)。対象は2026年10月8日までに公開された記事である。
対象の作品は、版違いをまとめた結果2つ以上の版がある115作品と、書名に版の表記(第2版・改訂新版・新装版・増補改訂版など)があるが旧版が書誌に無い本を合わせた390作品で、その紹介は1,708件ある。版の出版日・ページ数・出版社は技術書ナビの書誌(出版社・楽天ブックスの書誌情報)を使った。
候補の選び方
紹介ごとに、記事本文で書名が出てくる箇所の前後500字を調べ、書名の一部ではない版の語(「旧版」「初版」「第N版」「改訂」「新版」「新装版」「増補改訂」など)があるもの、または紹介の要約に版の語があるものを候補にした。書名の直前・直後にある版の語(「達人プログラマー 第2版」のような書名の表記)は数えていない。
分類
候補586件を、作品の版の一覧(書名と出版日)と本文の抜粋と一緒にLLM(Claude Sonnet)に渡し、1件ずつ次を判定させた。根拠は記事本文の抜粋に限り、サイトが作った要約だけにある内容は使わせていない。
- 種類:旧版との具体的な違いを書いている/違いは書かないが版について書いている(どの版を読んだか・どの版を勧めるか)/どちらでもない(別の本の版の話、書名の表記だけ、など)
- 書かれた違い(記事の記述の言い換え)と、その種類:追加・更新・言語や環境の変更・構成の見直し・削除・翻訳・体裁
- 筆者が読んだ版と、版の選び方の評価(新しい版を勧める/旧版でも十分/どちらでもよい)
- 引用:本文からそのまま写した一文。集計時に記事本文にそのまま含まれるかを機械的に確かめ、含まれないものは使っていない
確認の結果
「違いを書いている」とした37件と「版について書いている」とした37件はすべて、「どちらでもない」は無作為に24件を抜いて記事を読み直した。正しかったのはそれぞれ35件・36件・22件で、全体では98件中93件(94.9%)だった。
「どちらでもない」の誤りは、書名の表記の違い(空白の有無など)で本文の抜粋が取れなかった紹介に集まっていた。そこで、抜粋が空だった候補と、本を1〜2冊だけ紹介した記事は全文から版の語を含む文を抜き出して読み直し、取りこぼしを直した。直したラベルは次の17件である。
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- どちらでもない→違いを書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- どちらでもない→違いを書いている:本文の冒頭に改訂の中身(スクラムガイド2017年版への対応)があった
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- どちらでもない→違いを書いている:書名の表記(空白の有無)の違いで本文の抜粋が取れていなかった
- どちらでもない→違いを書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた。全文に違いの記述があった
- 違いを書いている→版について書いている:旧版が古くなっていたことと新版の刊行だけで、改訂の中身は書いていなかった
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- どちらでもない→違いを書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた。全文に「第1版との違い」の節があった
- 違いを書いている→どちらでもない:別の本の改訂版のようだという比喩で、この作品の版の違いではなかった
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- どちらでもない→違いを書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- 版について書いている→違いを書いている:本文の後半に増補改訂版で増えた項目が書かれていた
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた
- (候補外)→違いを書いている:書名の周りの抜粋に版の語が無く候補から漏れていた。全文の確認で追加
- どちらでもない→版について書いている:本文の抜粋が取れず none になっていた。改訂版であることを書いている
このほか、判定は正しいが違いの文が抜粋の途中で切れていた紹介など6件は、記事の全文を読んで違いの文と引用を補った。ラベル(紹介のid・判定・違い・引用)はリポジトリに置き、集計はそこから機械的に作っている。
引用した記事
本文の[番号]に対応する。企業テックブログの記事は、媒体と公開日だけを示す。
- [1] 私の考え方・仕事の仕方に影響を与えた書籍たち (Zenn、2025年9月6日)
- [2] ソフトウェア設計の本質: 5冊の名著から学ぶ「変更容易性(ETC原則)」 (Qiita、2025年7月6日)
- [3] 2025年2月 読んでよかった本 (Zenn、2025年3月9日)
- [4] 入社1~2年目で読んだ技術書まとめ (Qiita、2025年2月22日)
- [5] 【初学者向け】アジャイル開発/スクラム関連のおすすめ書籍 (Qiita、2025年2月9日)
- [6] [2024年]出会えて良かった書籍まとめ@25冊 (Zenn、2024年12月15日)
- [7] エンジニアチームの成長を目指した、輪読会の取り組み ~どんな形式で、どんな書籍を読んできたか?~ (Zenn、2023年12月18日)
- [8] 西暦2023年、オブジェクト指向に興味を持った入門者にお勧めする日本語書籍を考える (Zenn、2023年9月23日)
- [9] 【全50冊】読んだことある技術書、自己啓発本についてひとこと書きながらひたすら挙げていく。 (Zenn、2022年2月27日)
- [10] SE 3年目で読んだ技術書52冊 (Qiita、2024年5月31日)
- [11] 新人エンジニアのためのブックリスト (Qiita、2021年12月17日)
- [12] 技術書 2020 (Qiita、2020年12月22日)
- [13] CTOとして会社に置くと決めた、ありがたい技術書5選 (Zenn、2025年12月3日)
- [14] 【読書の夏?】各分野のおすすめ技術書を75冊まとめてみた (Qiita、2026年6月29日)
- [15] 【書評】 プログラミングC# 第8版 (Qiita、2026年10月7日)
- [16] 「図解即戦力 Google Cloudのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書[改訂2版]」をより効果的に読むポイント (Zenn、2024年10月28日)
- [17] Real World HTTP 第3版を読んでみた (Zenn、2024年6月26日)
- [18] 企業テックブログの記事(2022年1月24日)
- [19] 企業テックブログの記事(2020年12月21日)
- [20] 企業テックブログの記事(2025年5月21日)
- [21] 企業テックブログの記事(2025年3月12日)
- [22] 企業テックブログの記事(2024年6月24日)
- [23] 企業テックブログの記事(2024年10月8日)
- [24] 企業テックブログの記事(2023年12月6日)
- [25] 企業テックブログの記事(2023年6月22日)
- [26] 企業テックブログの記事(2023年5月25日)
- [27] 企業テックブログの記事(2023年4月25日)
- [28] 企業テックブログの記事(2023年1月23日)
- [29] 企業テックブログの記事(2022年4月22日)
- [30] 企業テックブログの記事(2022年1月26日)
- [31] 企業テックブログの記事(2021年12月20日)
- [32] 企業テックブログの記事(2021年9月10日)
- [33] 企業テックブログの記事(2020年9月7日)
- [34] 企業テックブログの記事(2020年1月23日)
- [35] 企業テックブログの記事(2019年8月28日)
- [36] 企業テックブログの記事(2018年10月25日)
- [37] 企業テックブログの記事(2017年12月21日)
- [38] SE 1年目で読んだ技術書68冊+α (Qiita、2022年3月31日)