ライト,ついてますか: 問題発見の人間学の表紙

ライト,ついてますか: 問題発見の人間学

ドナルド・C・ゴース, G.M.ワインバーグ, 木村 泉

出版日: 1987/10/25

出版社: 共立出版

ページ数: 176ページ

最終更新: 2025年9月30日

人気スコア: 101

どんな本?

本書は、問題解決の「前」段階である「問題発見」に焦点を当てた、人間学的なアプローチを取るユニークな書籍です。自動車のライトを消し忘れるという身近な例から、問題の本質を見抜くための思考法を提示します。単に解くべき問題を教える学校教育とは異なり、実人生においてより重要で面白い「問題発見」のスキルを磨くことを目指します。訳者によれば、本書は一見冗談めかしていても、読めば「ひどく思い当たることばかり」で、実践的な示唆に富んでいます。特に、実務経験豊かな読者には深く共感できる内容であり、若手にとっては、才能を活かすために不可欠な「問題発見」のセンスを早期に身につけるための強力なガイドとなるでしょう。具体的な問題解決策の提示に留まらず、物事の本質を見極める洞察力と、創造的な標識の考案といった応用力を養うことができます。この本を読むことで、日常や仕事における「なぜ?」に深く切り込み、より本質的な課題に取り組むための思考の地図を得ることができます。

この本に言及している記事

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「ライト、ついてますか」の要約と感想

by Shunya on Zenn 2025年9月30日
"問題定義の重要性を説き、望まれた事柄と認識された事柄の乖離に着目する視点がユニーク。クライアントの提示した解決策に惑わされず、問題の本質を問い続ける姿勢が養われます。特に、問題を「誰のものか」という視点で捉え直すアプローチは、個々のケースに囚われず本質的な解決策を見出すヒントになります。技術者が陥りがちな「技術への固執」から脱却し、より良い問題解決を目指したいエンジニアや研究者におすすめの一冊です。"
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私の考え方・仕事の仕方に影響を与えた書籍たち

by pdfractal on Zenn 2025年9月6日
"「問題とは何か?」を問い直す寓話集。エレベーターの遅延という表層的な問題の裏にある、真の課題定義の重要性を教えてくれます。「ライト、ついてますか?」という問いかけの例は、説明や説得よりシンプルな問いの力が状況を変えることを示唆します。ラテラルシンキングやクリティカルシンキングの流行以前に、問題解決の本質を哲学的かつ工学的に掘り下げた稀有な書籍であり、問題解決への根本的なアプローチを学びたい方に最適です。"