失敗の本質-日本軍の組織論的研究 (中公文庫 と 18-2)の表紙

失敗の本質-日本軍の組織論的研究 (中公文庫 と 18-2)

戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一, 杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎

出版日: 2024/12/23

出版社: 中央公論新社

ページ数: 464ページ

最終更新: 2024年12月6日

人気スコア: 221

どんな本?

旧日本軍の組織的失敗を社会科学的な視点から分析し、現代の組織病理を浮き彫りにする本書は、ビジネスパーソンやプロジェクトマネージャーに必読の一冊です。ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナルなど六つの作戦事例を詳細に検証することで、旧日本軍に共通していた「文民統制の欠如」「作戦計画における柔軟性の欠如」「自己認識の欠如」といった組織特性を解明します。これらの失敗の本質は、現代のビジネスシーンにおいても、目標不明確、責任の所在不明瞭、集団の「空気」に流されるといった形で繰り返し現れます。本書を読むことで、柳井正氏も指摘する「事実を直視せず、自分の見たいものだけを見る」といった思考の癖や、組織の非合理的な意思決定プロセスを客観的に理解できます。JAXAの津田雄一氏が「はやぶさ2プロジェクト」で活用したように、本書で示される失敗の教訓は、プロジェクトの成功確率を高め、組織の自己変革を促すための強力な示唆を与えてくれます。特に、日本の組織文化に根差した思考の癖から脱却し、より効果的な組織運営を目指す方には、問題解決の糸口となるでしょう。

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サポート終了間近 しがない30代エンジニアの本棚(2024年版)

by su8 on Zenn 2024年12月6日
"日本軍の作戦構想と実行過程を分析することで、現代の組織が陥る意思決定プロセスの歪みや情報伝達の分断といった問題の本質を浮き彫りにする一冊。優秀な個人の集まりが、なぜ集団になると致命的な判断ミスを犯すのか、そのメカニズムを解き明かす。現代組織の抱える課題への深い洞察を与え、背筋が寒くなるような既視感を覚える読者も多いだろう。組織論を学ぶ上で必読の書。"